職場という名の刑務所から脱獄

引き抜きを『依頼』された日から全ては始まった。

4月に軽貨物業の会社を起します。
そのために僕が解雇になった会社から4名、引き抜きます。

「引き抜き」
このワードにネガティブな印象を抱く方は多いと思います。

「無理やり口説いて引き抜く」をイメージされるのではないでしょうか。

しかし、今回は『依頼』されたのです。

なぜなら我々が所属していた軽貨物会社は、ブラック企業と言える要素を全て含んでいました。

AM 6:00から汗だくで大量の荷物を仕分けすることから業務が始まります。

もちろん昼休憩なんて概念はありませんよ。
21:00までノンストップで配り回ります。

僕も経験していましたが、気付けばいつも西陽が眩しい時間になっています。

この時間までノンストップで動き続けると、頭がフワーッとしてくるんです。
明らかに1人の業務量ではありません。

そして退職を申し出ると「契約違反だから裁判を起こす」などの
強引な話をされて辞めさせてもらえません。

体はもちろん、不安や恐怖で心の限界を迎える人も多いです。

中には何も言わず急に辞めていく不義理な人もいます。
でも、きっちり働いている人にも会社は同じ対応なので、何も言わずに辞めざるを得ないのも事実です。

そして最終的に会社を去る決断をした人は、
貰えるはずの給料が支払われないまま、泣き寝入りして次のキャリアを歩みます。

4名は既に悲鳴をあげていました。

僕が問題の無い会社を作りたいと話したら『依頼』が入ったのです。


4名のうち2名は会社の寮に住んでいます。
3/7の夜遅くに荷物をまとめて脱獄を実行します。

翌日には出勤するはずの2名がいないわけですから、騒がしくなりそうです。


4月に我が社で仕事が始まるまでは、各々で日雇いのバイトで食い繋ぎます。

面白くなってきた。

全財産が2000円のスタッフもいます。

面白くなってきた。


寮を出て家が無く、お金も無いので、急にネットカフェ難民です。

面白くなってきた。


困った時には、馬鹿の一つ覚えみたいに「面白くなってきた」と言うようにしています。

すると、「何が面白いのか」を不思議と脳が考えるんですよね。
僕の脳が今、何を考えているか。

1年後。
大きくなった会社をつまみに、居酒屋でお酒を飲みながら
「最初はネットカフェで生活しながら、バイトで食い繋いでましたよね〜!」
と笑い合っている光景です。

困った時こそ、合言葉は「面白くなってきた」
どんどんネタにしちゃいましょう。

では脱獄計画の最終段階ですので、今日はこの辺で。